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Archive for the ‘感想’ Category

星に願いを - 「The Economist / July 11th 2009」

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先週号のエコノミスト誌では、スペシャルレポートとして米テキサス州の話題が取り挙げられていました。

アメリカでも最も急成長を遂げている州であり、その位置からも(移民等の面から)貧富の差が著しく、西部と南部で乖離がある州であり、メキシコとの関係や歴史的経緯から複雑な文化を持っている州であり、しかし一方で、税制や少ない規制の面から様々な企業がその本拠とする州であることなど、初めて知りました。

*「ひとつ星、昇る テキサス特集」
Lone Star rising – A special report on Texas」(economist.com

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Written by nen

July 19th, 2009 at 3:57 P

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考える基礎体力 - 「不透明な時代を見抜く統計思考力」

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高校時代、理系コースに進むか文系コースに進むかという選択をする必要がありました。市立高校だったんですが、公立としては珍しい制度だったかもしれません。

当時お世話になっていた先生に「僕はどっちに向いてますかねぇ?」となんとなく聞いてみたら、「アナタは文系絶対文系間違いなく文系」と太鼓判を乱れ打たれたので、いとも容易く流されて文系コースを選択したものです。

当時は理系カリキュラムにあった「確率・統計」を一度も勉強すること無く高校を卒業してしまったので、大学で経済学などを受講した時はなんじゃコリャァアとしか言えない生活を送ったのも今では良い思い出です。
いや、私が文系なのは全くその通りなので、高校時代の先生は何も間違ってなかったのですけど。

大学や仕事など、様々なシーンで統計は必要とされるツールですが、それを分かり易く基礎的な考えから教えてくれるのが、本書「不透明な時代を見抜く統計思考力」です。

統計思考力

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Written by nen

July 16th, 2009 at 8:00 P

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ITシステムも地産地消? − 「The Economist / July 4th 2009」

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先週号のエコノミスト誌の表紙はエラいことになってて、ちょっとビックリしました(オバマ大統領がクマの口に手を振りながら入り込もうとしている様で、タイトルは『Welcome to Moscow]』)。

そんなキャッチーな表紙の先週号、英国でも報道されている麻生下ろしや政策実験国家とも言えるスウェーデンの話など、興味深い話が載っています。
そのほか、個人的に印象に残ったのは以下の記事でした。

*「不況がセルフサービスを後押しする 自分でやるのだ」(P.56)
The recession spurs self-service  Help yourself」(Economist.com

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Written by nen

July 15th, 2009 at 8:00 P

ハートとアートの時代へようこそ - 「ハイコンセプト」

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先日買ってしまったクラシックカメラですが、週末や時間があるときに触っています。
まだ持つだけで楽しい時期で、「良い写真が撮れた撮れない」というのは二の次ですよ、ええ…(ニヒルに)。

考えてみると、このデジタル全盛の時代に敢えてアンティークやクラシカルなものを手に取ってしまうのは、やはりそこに機能性を超えた価値が感じられるからでしょう。それは私たちをわくわくさせるものであったり、懐かしくさせるものであったり、場合によっては涙を流させるものであったりします。

そのような価値を創出し、追求することが、これからの時代は主流になるのだということを論じている本が、本書「ハイコンセプト」です。

ハイコンセプト

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Written by nen

July 13th, 2009 at 8:00 P

苦労話に見る教訓 - 「会社は毎日つぶれている」

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私は以前小さなベンチャーに勤めていたのですが、小さいだけに、ちょっとしたキャッシュフローの変化が経営状況に大きく影響していました。Excelで資金繰り表を作成する社長の背中をよく覚えているものです。

相変わらず不景気で、危険な状況に陥る可能性も高く、世の社長さんたちは皆さん苦労されていると思いますが、そんな社長に向けての心得や姿勢を苦労話に交えて語った本が、本書「会社は毎日つぶれている」です。
いや、むしろ苦労話がメインのような印象も…。

会社は毎日つぶれている

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July 11th, 2009 at 8:00 P

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プロジェクトに影響するトレンド - 「PM NETWORK / JUNE 2009」

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私は一応PMI会員なので、PMIから会誌が送られてくるのですが、今月ちょっと面白い話が書いてあったのでメモ的に記録しておきます。

*「5つの大きなトレンド(5 big trends)」(PM NETWORK / June 2009 23号 P.34)

厳しい経済状況における、プロジェクトマネジメント上のトレンドについての報告と、トレンドへの対処に関する教訓が述べられています。

Written by nen

July 7th, 2009 at 8:00 P

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老後はもはや無い - 「The Economist / June 27th 2009」

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「少子高齢化」って、もはやひとつの熟語と化している感がありますね。
先週のエコノミスト誌では、高齢化と少子化による定年制度の崩壊が特集されていました。

*「ヒューズは焼き切れ寸前〜高齢化特集」
A slow-burning fuse  A special report on ageing populations」(Economist.com

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Written by nen

July 6th, 2009 at 8:00 P

リアルな猫ライフ - 「伊藤潤二の猫日記よん&むー」

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私は普段ホラーものは、漫画も小説も読みませんし、映画やテレビも観ていません。
あまり怖がりたいという欲求が無いからなのですが(恐がりとも言う)、そんな私でもホラー漫画の鬼才、伊藤潤二先生のことは知っていました。

著書のページをちらりと見たことがあるのですが(恐がり)、もの凄い細かい筆致とトンでもない演出でこわーこわーと思った記憶があります。

そんな、普段ホラーと縁も所縁も無い私が、書店でたまたま表紙を見つけて、買わずにはいられなかった同氏の漫画が、本書「伊藤潤二の猫日記よん&むー」です。

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Written by nen

July 5th, 2009 at 2:25 P

広がりの広がり - 「The Economist / June 20th 2009」

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私は私生活でも仕事でも、結構Webを使っている方だと思います。Web依存症とまでは言いませんが、もしインターネットやWebが使えなくなったら、途方に暮れてしまうタイプの人間であることは間違いありません。

先週号のThe Economistには結構日本の話題も載っていましたが、特に興味を覚えたのはインターネットやWeb技術に関する話で、「East Africa gets broadband – It may make life easier and cheaper(P.46)」と「A web of sound – Talk about that(P.76)」でした。

両方ともWebで読むことができますね。これだから止められないWeb(←依存症)。

*東アフリカにやっとブロードバンドが来た話
East Africa gets broadband – It may make life easier and cheaper

*耳で聞き、話して作るWebの話
A web of sound – Talk about that

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Written by nen

June 29th, 2009 at 8:00 P

行く川の流れは絶えずして - 「生物と無生物のあいだ」

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2年近く前のベストセラーですが、最近また読んだので振り返り。やはり面白いですね。

生物と無生物のあいだ

本書では、そもそも生きているとはどういうことかという疑問から出発し、様々な研究の内容をその研究者のストーリーを交えながら、ある見解に到達するまでを追っています。
DNAの存在や意味を追及していくくだりも、人間関係なども絡めてスリリングに読めて面白いのですが、やはり本書の白眉は「動的平衡」に迫る部分でしょう。
「動的平衡」については、同じ著者によるそのものズバリな書籍が最近刊行されていますね。
これは、ミクロな観点では物凄い勢いで破壊と生成を繰り返しているものの、それが丁度バランスしているため、マクロな観点ではパッと見て変化していないように見える状態のことを指しています。
そして著者は、この「動的平衡」こそが「生きていること」なのだと言います。
私たちが物を食べたとき、お酒に限らずそれらはあっという間に我々の五臓六腑に染み渡り、細胞のタンパク質や脂肪の中に溶け込んで、代謝された結果が排泄物として出ていきます。
私たちの細胞は常に破壊され続け、そして創造され続けることによって、「ここに居続ける」わけです。
これは、まさに「動的平衡」です。生きていることは、流れ続けていることなのですね。
このくだりを読んだとき、私は鴨長明の方丈記を思い出しました。
行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。
私たちが目にする川の流れは、いつもそこに同じようにありますが、流れを形づくる水は常に移り変わっています。世の中には、何一つ変わらないものなど無い、儚いものだなぁと言っているわけですね。歴史に名を残すような人は、やっぱし鋭いぜ(唐突に)。
私たちの生命は、動的平衡を形づくる奇跡的なバランスの流れによって維持されています。本書ではノックアウトマウスを使用した実験を例として、DNAの欠損というアクシデントに対して、この常に変わり続けるという「動的平衡」のメカニズムが如何にうまく対処するかを説明します。
ところが一方で、この柔軟なシステムが仇になり、歯車が欠けるようなレベルの欠損が私たちに及ぼす悪影響も著者は示します。これは、「眠れない一族」で挙げられていた異常プリオン型の病が拡大していく理由を、まさに説明してくれるものです。
私たちの生命を成すこの「流れ」は、極めて柔軟・強靭でありながら、その奇跡的なバランスを平衡させる綱渡の上に成り立っているわけで、ひとつピースが狂えば崩れてしまうような、とても儚いものでもあるのですね。
この事実は、何百年も昔の鴨長明が感じた無常感と似たようなものを、科学が発展した現代の私たちにも感じさせるようにも思います。
科学や学問が発展する歴史を見ると、私はいつもループのイメージを喚起されます。
古代ギリシアにおいて学問とは、神、そして神が作り出した私たち人間とは何か、という人間の存在自体を問うような大きなテーマの哲学的探究だったと言います。そこに、文学的な面や数学的な面、全ての観点が含まれていたのですね。
そのような混然一体となっていた学問を、今から2300年ほど前にアリストテレスが体系化して以来、それぞれの学問は、自然科学、数学、文学など専門的な発展の道を進んでいくことになりました。
その結果、現代ではそれぞれの学問がその専門性を更に先鋭化させていますが、専門性が行き着いた先に、様々な学問で同じような問題にぶつかっているように思うのです。
例えば、物理学の発展は量子物理学の扉を開きましたが、量子の振る舞いに関する議論では、単純に量子に閉じた話では完結できず、量子の観測者である私たち人間の認識や存在といった、ある種哲学的な問題が絡んできます。
また生物科学の発展によって、遺伝子操作によるデザイナベビーやクローニングが技術的には可能になりつつありますが、人間としての倫理的な壁にぶつかり、その是非について様々な議論が続けられています。
結局、学問はその発展を究めると、私たち人間自身の在り方という、アリストテレスによる分化以前の神学に回帰していくのかもしれない。
鴨長明の感じた無常感と、「動的平衡」である私たちの生命が繋がっているように見えるにつけ、そのように感じられるのでした。

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Written by nen

June 27th, 2009 at 8:00 P