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心理学と紙一重 - 「経済は感情で動く」

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「松・竹・梅」があれば、「竹」を選ぶ。FXでちょっと負けると、損を取り返そうと追銭して損を増やす(しくしく)。そんな私の行動を説明してくれるのが、行動経済学というものらしい…。

ちょっと前に手に取って読んだ本のうち、2冊が行動経済学に関するもので、今更ながらに流行っているのを認識したり。これはそのうちの一冊です(もう一冊は『予想通りに不合理』)。

経済は感情で動く


本書では、我々が日常生活を送る上で、たびたび引き起こしてしまう非合理な行動について、行動経済学の考え方を紹介しながら説明を試みています。全体としてはやや取り留めの無いトピックの羅列のように感じられる面もありましたが、話題をたっぷり詰め込んだことによるものなので、仕方無いのかもしれません。

個人的に印象に残っているのは、価値判断を誤らせる原因となる我々の性向についての話題です。

  • 一度自分のものになると、実態以上の価値をそこに感じてしまう「保有効果」
  • 利益を追うよりも、損失を回避するための選択をしてしまう「損失回避」の傾向
  • やらずに後悔するよりやって後悔する方がマシという「後悔回避」の傾向

などなど、あぁそういうことってあるよなぁと思わされます。既に大金を突っ込んだために引っ込みがつかなくなって、止め時を見失う「コンコルド錯誤」なんかは昔から有名ですが、これって正に負けながら株やFXに突っ込む人の心理ですよね(泣)。損した分は取り返さなきゃ、と。

ただ、これらの性向や傾向に対する「何故?」については、残念ながらあまり掘り下げられていないのです。どうして我々はそういう考えに至りやすいのか、それは本格的な心理学の扱う話題になるのでしょう。

そういった意味では、行動経済学は、古典的な経済人モデルに基づく経済学に、心理学に基づくリアルな人間像を取り入れて、現実的な購買行動を説明できるようにしたものだと捉えられそうです。「経済学帝国主義」とはよく言ったもので、経済学は色々な分野に広がっていますね。

Written by nen

May 9th, 2009 at 4:45 P

One Response to '心理学と紙一重 - 「経済は感情で動く」'

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